Encapsulation in resin (for film, paper)

樹脂に閉じ込められる(フィルム、OA 紙の場合)
Encapsulation in resin (for film, paper)

2022

フィルム、紙にレーザープリント、ポリエステル

博物館で数万年前の生物が樹脂に閉じ込められた琥珀をみたことがある。現代に生きる私たちでも、はるか昔の生物を観察できる。それは既に生きてはいないのだろうし、生身といえるものではない。その生物は、琥珀とは別の物質である。同時に、琥珀の一部になっている。そこには、驚きと困惑がある。


私たちは写真を用いて、日々の光景を記録、保存している。写真を撮影しただけでは、記録、保存したことにはならない。感光板、印画紙やフィルム、ディスクなどの媒体に一定の処理を施すことではじめて、写真を記録、保存することができる。


だが、現在の技術では、いずれの媒体にも保存期間の限界がある。物理的な寿命が訪れる前に、次の媒体への移管を施さねばならない。程度の差はあれ、写真を撮る誰もが直面する状況である。写真は、媒体の限界ゆえに、放っておくと勝手に消えていってしまう。消えゆくものを確かな手触りの記憶として継いでいくために、保存する。


数万年前の生物と同様に、写真を樹脂に封入する。これが数万年先まで保存されるなどと私は夢にも思っていない。だが、もしかしたら、数万年後の人類か、もしくは他の知的生命体はこれを発見、観察し、驚くかもしれない。そのとき、既にこれは写真ではなく、何か別のものとなっていることを想像する。

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